アスマが死んだ。殉職ってやつだ。
アスマが死ぬ時、オレはその場にいた。
なす術もなく、ただただ「死ぬな」と願うしかなかった。
また自分の非力さを実感した。絶望ってのはこんなやつかと。
オレらしくもねーめんどくせー感情なんてもんに振り回されちまった。
オレは忍としてアスマを尊敬していたし、信頼もしていた。
だからといって、オレはこの先どうやって生きていけば良いんだ、
なんて路頭に迷う事にはならない。
忍たるもの、いつでも死ぬ覚悟は出来てるハズだ。仲間に死なれる覚悟も。
それにオレとアスマはそんな依存し合う様な関係じゃなかった。
アスマには紅さんがいたし、オレには…別に彼女はいねーけどよ。
(一瞬テマリの顔が浮かんだけど、あいつはそんなんじゃねー)
オレはあの時、アスマが死んだ時、確かに世界は終わったと思った。
イズモさんとコテツさんを恨もうかとも思った。
でもそんな事したってアスマが戻ってくるワケじゃない。
しばらくは何も手につかなかった。
雲を眺めながらアスマの煙草を吸った。
紅さんが目の前で泣き崩れても、里のみんなが悲しんでも何も感じなかった。
人が死ぬと、残された方が辛いっていうのはこーゆー事なんだと思った。
でも考えてみたんだ。
アスマが伝えてくれた事を。アスマがオレたちにどうして欲しいかを。
だって、アスマの最後の言葉を聞いたのはオレなんだから。
答えはひとつしかなかった。
オレの考えをチョウジといのは賛成してくれた。
オレたちは明日出発する。見ていてくれよ、アスマ。